一汁一菜でよいという提案(土井善晴)を読みました
この本には、著者の豊かな経験と知識から出た和食の基本(味噌汁とご飯の一汁一菜)が難しくなく(何を何gなどとは出てきません)書かれています。毎日の食事を気張らずに楽しんでこなしていこうという気持ちになります。
(本文より)
<<身体は鈍感、ということでもないですが、すぐにはわからず、食べ終わってから感じる心地よさのような感覚、身体がきれいになったような気がする……というあれです。一つ一つの細胞が喜んでいるのです。それを、身体の心地よさで伝えてくれているのです。一方で、その穏やかなやさしさに、脳は気づかないことが多い。どうも脳というのは、身体と反対の方向を向いていることがあるように思います。
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等々、読んでいてしっくりくる感覚。これはもうお料理の本ではなくて、身体優位の哲学書であり、身体をセンサーにした文化論であると思われるのです。
(本文より)
・家庭料理の約束。それは、食べることと生きることの繋がりを知り、
一人一人が心の温かさと感受性を保つ。それによって人を幸せにする力と
自ら幸せになる力を育む。
・一汁一菜は、日本を知り、和食を知る。
・家庭料理は、素朴で地味であり、目的は自分と家族の健康。中くらいに普通においしければそれでよい。
・見返りを求めない家庭料理は、命をつくる仕事
・家庭料理がいつもご馳走である必要はない。上手でも下手でもとにかくできることを一生懸命する
・一汁一菜は味噌汁を柱とする。
・味噌は日本人の健康の要。具沢山の味噌汁は、心身の健康を維持し育むために必要な栄養素を充分に摂ることができる。
・肉は少し。野菜は多め。 等々